定番の怪物を理解する! ヴァンパイア映画特集『ドラキュラ(1992)』あらすじとネタバレ感想・レビュー!

『ドラキュラ(1992)』の解説・概要

製作年 : 1992年

製作国 : アメリカ

上映時間: 128分

ジャンル:ホラー

監督  : フランシス・フォード・コッポラ

キャスト:ゲイリー・オールドマン、アンソニー・ホプキンス、ウィノナ・ライダー、キアヌ・リーブス

<ひとくちメモ>

全編にあふれるエロとゴシックさ。

品性あふれる一級のスペクタクルロマン。

<創作の参考ポイント>

めちゃくちゃエロい要素:★★★★★

ルーマニア怖い:★★★★★

吸血鬼より怖いヘルシング教授:★★★★★

<あらすじ>

かつて、中世ルーマニアにいた、君主ブラド。

彼はオスマン・トルコの軍勢を迎えうち死闘の限りを尽くした。

しかし、ブラドが死んだという誤報をきいた最愛の妻は自害。

ブラドはその様をみて、神を呪い吸血鬼ドラキュラとなった。

時代は近世になり、彼はイギリスロンドンを侵略しようとするのであった。

<ネタバレ感想・レビュー>

世界中で愛好者がいる、ブラム・ストーカー原作のホラー小説「ドラキュラ」。

これを「地獄の黙示録」で有名なフランシス・フォード・コッポラが豪華キャストとともに映画化した本作。

その豪華キャストというのは、ドラキュラ役をゲイリー・オールドマン、ドラキュラの宿敵であるヘルシング教授をアンソニー・ホプキンス、ヒロインをウィノナ・ライダーともうみているだけで胃もたれをおこしそうなキャスティング陣である。

おまけに何の役にも立たないウィノナ・ライダーの旦那役を若き頃のキアヌ・リーブスが演じている。

「ジョン・ウィック」などで今やアクションスターである彼だが、こういう無能の役もうまいのだ。

さらに端役では後に「マレーナ」などで名前を挙げるモニカ・ベルッチ、「SAW」でゴードン医師を演じるケイリー・エルウェスといった今では一級作品でみる俳優たちも出演している。

ゲイリー・オールドマンのドラキュラも見事であるが、本作の主人公は圧倒的にアンソニー・ホプキンスであるといえるだろう。

むしろ怪物・悪役であるはずのドラキュラは失った妻への愛情に苦しむ、苦悩ある共感性のある主人公として描かれているため、ヘルシング教授の行動原理や行動の目的が余計にわからないものになり「むしろ本当の化け物はこいつでは…」と思うようになってしまう。

運の悪い吸血鬼ドラキュラが吸血鬼以上に恐ろしい人間に追いかけまわされる話としてみるとさらに面白い。

このように古典的なストーリーも物の観方を変えれば転じてしまう、という好例になるのではないだろうか。

<おすすめ度>

★★★★☆

<作成秘話・豆知識・見所など>

  1. 本作の衣装係をしたワダ・エミ氏は日本人アーティストであった。彼女とウィノナ・ライダーのひと悶着はかなり有名で、一時ウィノナ・ライダーが反日ではないかという風評被害を巻き起こすこととなったが、ウィノナに当然その気はなかった様子。
  1. 本作のドラキュラは序盤では老人のような姿になっているが、これはフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」へのオマージュである。影を追うドイツ表現主義的な技法にも「吸血鬼ノスフェラトゥ」の影響がにじみ出ている。

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