ユニバーサル制作の古典ホラー映画。
その物悲しいストーリーはティム・バートンなどにも影響をあたえた。
『フランケンシュタインの花嫁』の解説・概要
製作年 :1935年
製作国 :アメリカ
上映時間:75分
ジャンル:ホラー
監督 :ジェームズ・ホエール
キャスト:ボリス・カーロフ、コリン・クライブ、エルザ・ランチェスター、アーネスト・セジガー
<ひとくちメモ>(レビューキャッチコピー、どんな作品・雰囲気の映画かも形容)
怖いよりも悲しい。
悲劇のモンスターフランケンシュタインの経験する悲惨な人生。
<創作の参考ポイント>(映画によって3種類ぐらい、ポイントは自由に)
怪物可哀想要素:★★★★★
葉巻美味しそう度:★★★★★
途中で出てくる小人の意味不明度:★★★★
<あらすじ>(退屈なので、長々と起承転結方式の書き方はしない)
前作「フランケンシュタイン」で村民のリンチから生き残っていたフランケンシュタインの怪物。
生みの親であるビクター・フランケンシュタイン博士は自分が生んだ怪物が巻き起こした騒動の末、助手が死んでしまい、すっかり落ち込んでいた。
そこへビクターの恩師の プレトリアス博士がやってきて「共に人造人間を生み出そう」ともちかけるが、拒絶。
そのころフランケンシュタインは山の中で逃走を続けていた、彼は山の中に孤独にすむ年老いた盲人のバイオリン弾きと出会う。
目が見えない老人は、フランケンシュタインを歓迎し仲良くなるが、老人を心配してやってきた村民にみつかり再び逃げる。
そんなフランケンシュタインは、プレトリアス博士と出会い、話をもちかけられる。
「お前のトモダチを作ってやるぞ」
ネタバレ感想・レビュー
ユニバーサルスタジオの名作モンスター映画の続編である「フランケンシュタインの花嫁」、他のシリーズ映画でも2が一番面白いというジンクスがあるが、本作もそれに当てはまる。
フランケンシュタインの怪物性よりも悲哀に終始している。
孤独で自分の友人を求めるフランケンシュタイン。
中盤で出てくる盲目の老人と怪物のやり取りは涙なしでみられない。
そんな怪物の孤独をうまいこと利用し、自分の科学的探究心を満たそうとする絶対的悪なプレトリアス博士。
この対比がおもしろい、しばしば狂気的な科学者としてその代表例であげられるフランケンシュタイン博士だが、実は幼いころに母を失ったというトラウマが根底にありそれを克服するために不死の研究のとりつかれている、そんな彼がドン引きするようなサイコ性をプレトリアス博士はもっている。
プレトリアス博士は最終的に女版フランケンシュタインともいえる、フランケンシュタインの花嫁を生み出すが、フランケンシュタインは彼女からも拒絶されるのであった。
哀れなことにフランケンシュタインはその時、自分のやったことに気づき、プレトリアス博士や花嫁もろとも自爆して死亡するのだった。
当然本作はそれ以降もシリーズ展開されたため、フランケンシュタインの怪物は死んでいないが、後の作品の粗さをみていてもわかるが、本作はここで終わりにしたほうがいいのではないだろうか。
本作は無意識的に、知的障碍者の差別についてのメッセージを持っているのではないかと思う。
愛を求めさまようフランケンシュタインの怪物の背中からは異性からの愛を求めさまよう知的障碍者に見えて仕方ない。
そんな深いメッセージをはらんでるのではないか、という考察も楽しい本作。
皆さんにお勧めだ。
おすすめ度
★★★★★
作成秘話・豆知識・見所など
①本作の監督であるジェームズ・ホエールは実は同性愛者であった、自宅のプールで自殺した姿で発見された。この経緯については「ゴッド・アンド・モンスター」という映画が製作されており、そちらに詳しいので機会があればぜひみてほしい。
②本作でプレトリアス博士がみせる小人であるが、当時の人はこれで笑ったらしいが今見るとなかなか悪夢的で忘れられない映像になっている。
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