【歴史描写の参考になる時代別映画集】 ドイツ(20世紀・ナチス)『シンドラーのリスト』あらすじとネタバレ感想・レビュー!【歴史描写の参考になる時代別映画集】 ドイツ(20世紀・ナチス)

名監督スティーブン・スピルバーグを代表する名作

この作品はその年のアカデミー賞を受賞した

『シンドラーのリスト』の解説・概要

製作年 :1993年

製作国 :アメリカ

上映時間:195分

ジャンル:ドラマ

監督  :スティーブン・スピルバーグ

キャスト:リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ベン・キングスレー

ひとくちメモ

戦争の中にもアート性がある。

モノクロ映像の中に浮かぶ赤い少女が象徴的。

創作の参考ポイント

ナチス怖い度‥★★★★★

戦争悲惨度…★★★★★

ドイツ人も英語をしゃべっている度…★★★

あらすじ

第二次大戦、ナチスドイツ占領下のポーランド。

自身もナチスに手を貸しながら、ユダヤ人を大量に雇い財を肥やしていた大富豪オスカー・シンドラー。

良心の呵責に問われた彼は、自身の会社で働くユダヤ人労働者を救うべく奔走する。

しかし、そんな中ドイツから冷酷な将校アーモン・ゲートがやってきた。

ゲートは、新しいユダヤ人収容所の所長となる。

果たしてシンドラーはゲートからユダヤ人を守ることができるのか。

ネタバレ感想・レビュー

 第二次大戦時のドイツを舞台に、実在の大富豪オスカー・シンドラーが自身の会社で務めるユダヤ人労働者を救うために悪戦苦闘した逸話を描いた、人間ドラマ。

監督のスティーブン・スピルバーグは自身がユダヤ人であることでも有名で、本作はかなり気合を入れて製作したことがうかがえる。

当時、カラー映画が主流であったが、なんと本作はあえて戦時の雰囲気を優先させるために、モノクロ映像で映画が撮影された。

これが功を奏してか、本作は非常なまでのリアリズムが映画全体を支配している。

そんなモノクロ映像のなか、ナチスから逃げ惑う名もないユダヤ人少女のみが赤い服に身を包み、そこだけカラーとなる。

この映像美は、まさに「引き算」の映像美といえるだろう。

何かを足すのではなく、引いて描くことでこの作品は改めて第二次大戦のユダヤ人の置かれる悲惨な地獄絵図を巧みに描いた作品として、成功を収めている。

戦争の悲惨さをアートじみた映像で描いた本作はやはり他の映画と比べても唯一無二の存在感があるといえるだろう。

そんな本作であるが、唯一残念なところがある。

それはポーランドを舞台に、ドイツ人とナチス将校の頭脳戦を描いているのに、役者はほとんどイギリス人でしゃべる言語は英語なのだ。

この辺が所詮安っぽく、ドイツ語をしゃべるドイツ軍人の出てくる「ヒトラー最期の12日間」等と比べると安っぽくなってしまうのだ。

おすすめ度

★★★★★

作成秘話・豆知識・見所など

①本作で悪役として出てくるアーモン・ゲートは実在の人物で、映画では若いころのレイフ・ファインズが色気のあるキャラとして演じていたが、実際には190㎝120㎏以上ある巨漢で、部下ですら自分の機嫌次第で処分する冷酷な性格をしていたため、部下からも嫌われている男で、ナチスからも問題視されていたほどの危険人物であった。

②本作の主人公であるオスカー・シンドラーはナチス崩壊後ビジネスで大いに苦労しており、かなりの負債をかかえていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です